轻松读懂日语经典作品
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かぜのさむいよのなかへ
風の寒い世の中へ
小川 未明
「赤い鳥」1925(大正14)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,903 字 · 8 页
お人形は、ごみの中にうずまってしまったのです。
これから、自分は、どんなところへ持ってゆかれるのか、お人形の小さな頭の中では、想像もつかなかったのであります。ただ、そのうちに車がゴロゴロと動きはじめたのを知るばかりでありました。
この車が、街の中を通り、街を出はずれてから、道のわるい、さびしい村の方へはいっていったことも、もとよりお人形にはわかりませんでした。
やがて、この大きなごみ箱をのせた車は、あるさびしい郊外のくぼ地に着くと、そこのところでとまりました。そして、たくさんのごみといっしょくたに、くぼ地の中へあけられました。くぼ地には、こうして運ばれてきたごみが、すでにうずたかく積まれていましたけれど、まだそのくぼ地をうずめてしまうまでにはなりませんでした。
そうじ人は、ごみための箱の中のごみをあけてしまうと、空き車を引いて、あちらへ帰ってゆきました。お人形は、くぼ地の中へ仰向けにされて、ほかのごみくずの蔭になって捨てられていたのであります。
「ああ、ここはどこだろう?」と思って、お人形は、あたりを見ますと、さびしい野原の中で、上には、青空が見えたり、隠れたりしていました。