轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
「講談雑誌増刊号」博文館、1950(昭和25)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,835 字 · 73 页
「いや気にかかっていたものですからな、しかし失礼ですが感服しましたよ、庫田でも萩原でも云っているのですが、このごろはまるで人違いがしたようだそうで、――控えめな、しっとりしたひとになったという、どうかすると顔を赤らめたりなさるそうで、ときどきびっくりすると云っておりました」
玄一郎は返辞に困って苦笑するばかりだった。
「津田さんは庫田とお知り合なんですか」
「さよう、――まあひところはかなり近しくしていました、このところずっと出仕隠居というかたちで、……誰といって親しい往来は致しませんが、ときに呼ばれたりするものですからな、まあ昔のよしみというわけでしょうが」
「しかしどうしてそんな、出仕隠居などといってひきこもっていらっしゃるんですか」
津田は暫く黙っていた。そうしてやがて溜息をつくように云った。
「――私は悔いの多い人間ですから」
玄一郎は胸がしんとなるように思った。津田庄左衛門のことは断片的に聞いていた、いつか自分でも云っていたとおり、津田家はずっと家老格であったのを、庄左衛門が若いころ放蕩していろいろ失敗したため、寄合席へ下げられたのだという。
子供が一人あったのだが、十七歳のとき死なれ、そのあとで入れた養子とはずっと別居のままであった。