轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

「朝日新聞日曜版」 1967(昭和42)年1月8日~2月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,042 字 · 71 页

青空文庫

「村田医院でしょ、知ってるわ」

「犬に気をつけるんだよ、あの犬はばか者でたちが悪いからな」

「あたしには馴れてるのよ」

「早くいっておいで」と竹中啓吉が云った、「気をつけるんだよ」

「ホワットエバー・ゴッズ・メイビイ」と松山隆二はうわごとを云った、「あなたが、どんな神々かは知らないが、もしもぼくが、あなたにとって必要なら、生かしておいて下さい、でも、もしもぼくが必要でなかったら、どうぞ、――思うままに」

「いのちはとりとめるだろう」村田医師は聴診器をしまいながら云った、「いまのは英国のなんとかいう詩人の詩の一句だよ、これはクリスチァンかもしれないな」

「ここへ運んで来る途中も、ここへ寝かせてからも」と竹中啓吉は考えふかげに云った、「云ううわごとはそれっきりでね、――だがクリスチァンじゃあねえな、エホバとも主とも云わねえんです、ホワットエバー・ゴッズとは多神教でしょう」

「わからないな」村田医師は殆んど肉のない額を横撫でにし、灰色になった疎な口髭をいじった、「――クリスチァンであろうと、多神教徒であろうと、なにか一つ信仰をもっているということだけでいいんじゃあないのかね」