轻松读懂日语经典作品
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
「朝日新聞日曜版」 1967(昭和42)年1月8日~2月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,042 字 · 71 页
「それは違うんだがな、クリスト教だけでも宗派は数えきれないほどあるし、宗派と宗派との関係もなまやさしいもんじゃあないんで」
「お父さん」とりつ子が隣りから襖をあけて呼びかけた、「すいとんが温まったわ、持って来ましょうか」
「ほう」と村田医師が云った、「りつ子も胸がふくらんできたな、おっとっと、うしろを向くとお尻が見えるぞ」
「いやーだ」りつ子は赤くなって片手で胸を、片手でうしろ腰を隠した、「いやなせんせい」
そして隣りの部屋へ去った。村田医師は笑って、なまぬるくなった茶を啜り、りつ子は幾つになったのか、ときき、竹中の答えを聞くと頷いた。
「いまがいちばんむずかしいときだな」と村田医師は云った、「七つ八つでも子を生むっていう例は、日本ばかりじゃあなく、南洋をべつにした各国に例がある、自分ではそんな意識がちっともないのに、性的な本能というものが勝手にはたらきだすんだな、もちろん人にもよるけれど、十一、十二ぐらいがいちばん危ないんだ、ことに、おふくろさんがいなくて、父親と二人っきりの場合はだ」
竹中はまじめに考えてから、まじめな眼つきで医師を見た。
「おれは五年めえに女房を亡くした」