轻松读懂日语经典作品
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1957(昭和32)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,480 字 · 67 页
「これまではな」と茂次は遮った、「しかしこれからは人数がふえる、おれや職人たちの世話をするだけだって、おめえ一人じゃあ手がたりなくなるぜ」
「じゃあ、どうしたらいいんですか」
「おれにはわからねえ、町役にでも話せばなんとかしてくれるだろう」と茂次はむっとした口ぶりで云った、「こういうことはお上の仕事だ、そのためにこっちは高い運上を払ってるんだから」
おりつは唇を噛んだ。
「わかりました」とやがておりつは云った、「ではそうしますけれど、話がきまるまで待って下さいますか」
「いいよ」と茂次は頷いた。
おりつは立ちあがって、なにか云おうとしたが、口をつぐんだ。
「なんだ」と茂次が訊いた。
「なんでもありません」とおりつは首を振り、顔をそむけながら出ていった。
それから四五日、茂次は仕事の手順をつけるのに追われた。彼は大六を伴れて木場の「和七」を訪ね、普請場をまわった。一つは神田明神下の酒問屋、一つは岩槻町の呉服屋、他の一つは日本橋吉川町の「魚万」という料理茶屋で、これらを巳之八、藤造の二人でやっていた。どちらも大留はえぬきの職人であり、使っている大工もずっと大留の息のかかっている者ばかりであった。