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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

科学の歴史的社会的制約

科学の歴史的社会的制約

――科学階級性の階梯に就いて――

知識・認識・乃至科学の歴史的社会的制約に関する問題を、恐らく人々は、「知識社会学」(乃至「文化社会学」)によって解答出来ると思うであろう。知識のもつ価値内容は之をかの論理学乃至認識論――夫は超歴史的・超社会的と普通考えられている――に任せる外ないが、知識の所産の歴史的社会的活動関係に就いては、知識社会学から教えられねばならぬと、人々は考えるであろう*。処が知識の価値内容とその歴史的社会的活動関係とは、そのように都合好く切り離して了うことが許されないのは、遺憾ながら或は又当然ながら、事実である。この点に於てはオーギュスト・コントの歴史哲学的――コントの意味で社会学的――根本命題は、多くの形而上学者の深遠な併しありふれた評価に拘わることなく、重大な意味を持っている。蓋しコントに於ける人間の知識の三つの段階は、単に一列の歴史的推移ではなくして、正に歴史的進歩であり、単に三つの類型の序列ではなくして、正に知識の価値の歴史的清算の過程だからである**。茲に問題となっているのは単なる歴史ではなくして歴史に於ける価値の秩序だからである。