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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

従って今云うイデオロギーという言葉はただマルクス主義の理論に立ってのみ、初めて正当な問題となることが出来る。「イデオロギーの論理学」はマルクス主義にのみぞくする。

だが之は社会科学的公式の適用ではない、そのことはこれ等の文章に少し眼を通せば明らかである。そうではなくして却って社会科学的公式の論理学的展開でなければならない。之は新しい論理公式を導来することを目的とする。夫々の文章がそれ故、論理上の問題を解くための公式として利用されるであろうことを、私はひそかに望んでいる。例えば世界観の論争に就いての問題は「問題に関する理論」へ、真理乃至虚偽に関する問題は「論理の政治的性格」乃至「無意識的虚偽」へ、科学階級性の問題は「科学の歴史的社会的制約」及び「科学の大衆性」へ、夫々帰着することが出来るであろう。敢えて譬えるならば、それは一切の民族問題がマルクスの「ユダヤ人問題」の公式に帰着するようなものであるだろう。最初の文章「性格概念の理論的使命」は、之等の公式を導き出すための下準備に外ならない。

初めの方の文章では問題が比較的に無限定な形を取っている、後の方の文章が之を限定するのである。