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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

なれば自我が存在しなければそれが存在しないと云う主体が第一失われるから)、と考えられると同様に、問いは人間的存在の意識に於ける恰もそのような出発であり、そして又そのような絶対的出発である、というのである。或いはデカルト的・或いはフィヒテ的・体系がかかる絶対的出発から出発したように、問いは或る一つの体系の出発をなすのであり、それが体系の出発である点から必然に或る意味に於ける絶対的出発である、というのである(体系と絶対性との関係は後を見よ)。一種の存在論としての体系がそれから出発しなければならないと考えられるこの問いなるものは(又より以上形式的な場合、論理学に於て、判断を呼び起こすもの又は肯定と否定との中間領域をなすものと考えられるかの問いも亦)、併しながら、充分な意味に於て吾々の今謂う所の問題であるのではない。

問いという言葉によって理解されるものは、云うまでもなく、それが何かの理論のテーマとか出発とかを意味しなければならない必要はない。ましてそれが何かの科学(学問)に於ける問いを意味せねばならぬ理由はない(蓋し理論とは、比較的固定した社会的存在を概して意味する処の科学乃至学問の概念をば、より流動的・実践的に云い表わす概念である)。