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イデオロギーのろんりがく
イデオロギーの論理学
戸坂 潤
「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页
前者にとっては普遍者は疑うべからざる課題であり、後者にとっては個性が凡ての問題の解決を約束する合言葉であるかのように見える。蓋し両者は理論に於ける好話柄であるように見える。或る人々は如何なる思想家の思想に就いても普遍者を、他の人々は如何なる思想家の思想に就いても個性を、専らテーマとしようと欲する。かくして例えばプラトンは普遍者の、アリストテレスは個性の、宗家であるかのように解釈せられる、等々。この場合、普遍者は個性に関係づけられ、又個性は普遍者に関係づけられ、そして、ただそうしてのみ人々の問題となるのである。特に、個性は、ただ個性と普遍者との関係に於てのみ、問われ得るのである。個性概念は従って常に個別化原理と共に――普遍者への関係に於て――理解されなければならないものである。
個別化原理が事実、時間乃至空間として与えられ得たことを吾々は注意しよう。この場合時間乃至空間を一般的に云うならば、観念的であるにせよ現実的であるにせよ何か一般に外延的なるものにぞくすることを、夫は意味するに外ならない。この外延的なるもの――それは連続であるが――の上に於て、即ち之を一つの原理として、限定されたものが、恰も個物(個性)の最初の規定を云い表わす。