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イデオロギーのろんりがく
イデオロギーの論理学
戸坂 潤
「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页
* 今仮にタルドの思想を借りるならば、問題――問題の解決もそうであるが――は発明され次で模倣される。前の場合が突発的問題に、後の場合が既成的問題に、相当するであろう。但し吾々にとっては、問題が単に個人的に、非歴史的に発明されるのであっては、元来それは、問題ではあり得なかった筈である。問題の発見は歴史社会的必然によって規定されるべきであった(G. Tarde, Les lois de l'imitation(1921)p. XIII 参照)。
既成的問題と突発的問題・伝統的な問題と独創的な問題、との区別を吾々は、立場を経た問題と立場を経ない問題との区別として与えることが出来る。歴史の上に於て、或る一定の立場に立つ理論――何となればどのような理論も凡て何かの立場に立ち又はやがて立つのである――を通過して初めて発生する諸問題は、まず初めに歴史社会的に或る理論が存在し、この理論に基いて、例えばそれの解釈又は理解として、歴史的に発生すべく初めて動機づけられたものに外ならない。尤も与えられた立場に立った既成のこの理論も、その発生期に於ては或る一つの問題によって動機づけられたのであり、そしてこの動機が成り立った当時にあっては、その問題も独創的に見出されたのではあったであろう、けれども今云った諸問題は、この初め独創的で