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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

性格的とは歴史的運動に寄与することであった、歴史の運動を目前に展開せしめて之を観想することではない、そうではなくして歴史的運動それ自身に参与するのである。歴史的運動へのかかる現実的な参与は吾々にとってはただ現代に於てしかあり得ない。故に一般に性格的とは歴史的社会の現代性を指すことに外ならない。但しかかる現代性はかの永遠なる今ではない、アウグスティヌスが懺悔録を書きつつあった時にも、私が今この文章を書く瞬間にも、そこに逍遙しているものは同じ資格の永遠の今であろう。現代性は之に反して将来に於ける永遠の今でもなく又過去に於ける永遠の今でもない、現在に於ける今の今なのである。今の今である現代は、他の時間部分に対しては、特有の歴史的な資格――現在という――を持っているであろう。かかる特有な歴史的資格が性格的なるものの必要なる一部をなすのである。さて性格的な問題はかかる歴史的特権をもつ問題である。それは現代の問題である。現代の問題は或る過去の又は将来の時代の問題と、同一平面上に、同列に、並べられることは出来ない。其処には単なる時間上の位置の差ではなくして理論上の秩序の差があるからである。