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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

「性格」概念の理論的使命「新興科学の旗のもとに 一巻二号」1928(昭和3)年10月<br>「問題」に関する理論「哲学研究 一五七号」1929(昭和4)年2月<br>論理の政治的性格「思想 九〇号」1929(昭和4)年8月<br>科学の歴史的社会的制約「東洋学芸雑誌 四六巻一号」1929(昭和4)年12月<br>科学の大衆性「思想 九六号」1930(昭和5)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 页

青空文庫

た、と云うのである。残された疑問はであるから、次の課題を課する。

問題選択に於ける歴史的必然性(従って乃至)遊離性が、理論内容に於ける論理的真理性(従って乃至)虚偽性として、反映し得るか否か。するならばどう反映するか。――吾々が解くべき課題は之である。

この課題を解くために、予め真理概念を正当に洗練してかかる必要がある。真理の概念は第一に一種の全体の概念として理解され得るであろう。事物の一面的・半面的理解は少くとも真理であることが出来す、ただ全面的理解だけが真理を有つと考えられる。それ故例えばヘーゲルに於ては真理は終局的な総合と統一とを云い表わす言葉であった。併し吾々が今問う処は――何処でも何に就いてもそうであるが――、単に真理とは何かではなくして、云わば何が真理か、である。如何なる規定に於て把握されたものが真理の内容となるか、如何にして把捉・獲得される限り真理が真理となるか、である。問われるものは真理の現実的規定であって、その観念的規定ではない。真理が全体性であるならば、吾々は、この全体性を如何にして――真理として――現実に把握するか、を尋ねる。