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マルクスしゅぎとゆいぶつろん
マルクス主義と唯物論
三木 清
「思想」1927(昭和2)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,739 字 · 43 页
* 我々の学問にとって最も重要な意義を有するこの方法については他の場合に詳論されるであろう。
あらゆる存在は発見された存在である。いかなる存在ももともとから単純にあるのでなく、我々が歴史においてそれに出会いそれを見出して在るのである。意識が哲学の中心に現われて来たには歴史がある。外的社会的生活の一切を排して個人の内面的生活に唯一の、最高の価値をおくキリスト教の宗教的態度において意識は初めてその存在において捉えられたのである。宗教的関心の要求にしたがって、内的世界の実在性と独自性とを明らかにし、意識の事実の無限なる豊富さを顕わにしたのはアウグスティヌスであった。かくして発見され闡明された意識は、デカルトに至って、知識、殊に数学、力学等の認識の確実性の基礎づけに対する関心によって著しい変容に出会った。アウグスティヌスにあっては、意識はそれが精神生活にとって何物かを意味する限りにおいて解明されたに反して、デカルトの意識の解釈は絶えず学的認識に対する支配的なる関心によって導かれている*。カントはさらに、彼においてはまた数学的自然科学の普遍妥当性の権利づけがその中心問題であったのであるが、この関心からそれまでは「存在の領域」