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ロマンスとえんだん
ロマンスと縁談
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1951(昭和26)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,722 字 · 28 页
そう多くは会っていないが、時折偶然の機会で紹介されて、幻滅の感に打たれる。奴の材幹を持ってして、これは何うしたことだろうと沈吟させられる。時に例外がある。このボンクラがと思っているのが素晴らしい細君に恵まれている。好妻拙夫という諺が肯ける。しかしこれは原則を証明する例外に過ぎない。若い同僚は押しなべて拙い女房につれそっている。
探りを入れて見ると、皆仲人結婚だ。これあるかなと思った。持ち込まれると、そう/\贅沢を言えない。大概のところで堪能してしまうから、拙いのを貰う。運の好い奴が麗人を引き当てる。
此方はこれからだ。大いに自重する。仲人の持って来るクジは引かない。一々断っている。自分で探して、ロマンスで結婚する。一度しかない青春だ。釣堀の鯉や鮒は釣らない。大海の鯛を釣る。
僕はこういう方針で就職以来心掛けているけれど、まだ手答えがない。その反対に時々軽い失策をする。初めタイピストの三輪さんに惹きつけられて、かなり懇意になった。皆も認めている麗人で、社長専属だ。来たか庄さん以来、僕に興味を持ったらしい。
「橘高さんなら堂々としていて、何処へ出しても立派なものよ」