轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いちにんならじ
一人ならじ
山本 周五郎
「富士」大日本雄辯會講談社、1944(昭和19)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,312 字 · 21 页
「かくべつ取得というものもございませんが、幼少よりがまんだけは強く、これまでかつて痛いと申したことがございません、また決して泣き言を口に致しません、やがて成人のうえはお役の端にもあい立とうかと存じます」
そう披露をした。
戦国の世に武士たる者が痛いと云わず、泣き言を口にしないなどとは当然すぎるはなしだ、その当然なことを取得として披露するにはそれだけの理由があるに違いない。「どうだ、それならみんなでいちど音をあげさせてやろうじゃないか」そう云いだす者があり、よかろうというので、隙を狙ってはやってみたが、本当にどうやっても弱音をあげないのである。……信勝の鞍脇のさむらいに高折又七郎という者がいた、戦場ではいつも抜群のはたらきをするが、ふだんもなかなか後へひかぬ気質で、弁舌でも腕力でもぐんと人を抑えている。或るときこの又七郎がとつぜん大助を捻じ伏せて馬乗りになり、両手でぐいぐいと首を絞めつけた。
「どうだ栃木」絞めつけながら彼はそう云った、「こうすれば息がつけないだろう、参ったか、どうだ栃木」どうだどうだと力に任せて絞めあげると、大助はやがて潰れたような声で、