轻松读懂日语经典作品
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なのかななよ
七日七夜
山本 周五郎
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页
魚を焼き、汁を煮る匂い。気ぜわしい庖丁の音。それは生活の跫音であった。休む暇もなく動いている生活。……昌平は絶望的な悲しさで胸がいっぱいになった。働らきづめに働らいて、喰べて寝て、また働らく生活も悲しい。そういう生活からはみ出して、今宵一夜を頼むあてもなく、途方にくれている自分も悲しかった。
「――いっそ辻斬りでもやっつけるか」
雨は肌着までとおっていた。
「――世間が世間ならこっちもこっちだ、どうせ堕ちるなら……」
暗くなった黄昏の街のひとところ、つい右側に「仲屋」と軒行燈を出した縄のれんがあった。昌平はふてたように、その店の中へはいり、長い台板に向って腰を掛けた。
――いざとなれあ刀を売ればいい。
辻斬りをやっつけようなどと、いま呟やいたばかりで、早くも刀を売るというのは矛盾である。むろん自分では気がつかない、腰掛けると十二、三の女の子が来たので、
「酒を呉れ」
些さかならず気負っていた。
ちょうど時刻なのだろう、店は殆んどいっぱいの客だった。彼には判別はできないが、日稼ぎの人足、土方、職人などという者だろう、若いのや中年者や、びっくりするような老人もいたし、なかには女(子供を伴れて稼ぐらしい)もいた。