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なのかななよ

七日七夜

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页

青空文庫

親方は左官屋で小助、相手の若者は「吉公」というそうで、二十一か二くらいの向うっ気の強そうな、そのくせはにかみやらしい、なかなかな男ぶりであった。

「この野郎がとんでもねえ御無礼を致したそうで、どうかまあ、そこんところをひとつ」

小助親方は幾たびも頭を下げた。吉公も口のなかでぶつぶつ詫を云って、親方より一つくらい余計におじぎをした。錺職の徳治が二度めに、来たとき、むっとした口ぶりで、

「あっし共がいれあよかったんだが」と済まなそうに云った、「――旦那の話しを聞いてねえし、なにしろ気の早え野郎で、まあ勘弁してやってお呉んなさい」

かれらは一と言も昌平を責めなかった。すべて自分たちが悪いといって謝まった。

昌平は黙ってべそをかいていた。

謝まりたいのはこっちであった。みんな己れの責任である、相手のみさかいもなくなるほど泥酔して、勝手なことを喚きちらしたり乱暴をやったりした。

――もしこれが麹町の屋敷だったとしたら。

こう想像すると膚がちり毛立った。

仲屋の父娘の親切には、彼としてはもう言葉がなかった。父親の弥平は五十四、五だろう、痩せた背の低い躯で、一日じゅう調理場で黙ってなにかしながら、