轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なのかななよ

七日七夜

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1951(昭和26)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,818 字 · 36 页

青空文庫

ふだん「能なし」とみくびっていただけに、それがあによめには反比例して強く感じられたらしい。がたがた震えながら、仏壇の蔭のほうへ手を入れかけ、ふとやめて、用箪笥の小抽出をあけた。今にも倒れそうに、足ががくがくしているが、取出したのは古ぼけた財布である。

「馬鹿にするな、そんな小銭じゃあない」

昌平は刀であによめの帯を突いた。

「その仏壇の蔭にあるのを出せ、この際ごまかそうなどとはふといやつだ、斬るぞ」

「で、でも、こ、こ」

刀で帯を突かれ、あによめはこんどは「ヒ」と声をあげながら、そこからかなり大きな袱紗包を取出した。

「自分であけろ、まごまごするな」

袱紗をあけさせると、中に小判の包が八つばかりあった。昌平はそれを六つ取って左右の袂へ入れ、ちょっと考えて一つ返した。

「兄貴が帰ったらそう云え、これまでの貸を貰ってゆく、唯取ったんじゃあないと、わかったか、……この、この、強慾非道な、女め」

廊下へ出たが、なにかすばらしく辛辣なあくたいをついてやりたいと思い、振返って、ふんと鼻で笑って云った。

「おれの残りの冷飯でも食え」

それ以上のあくたいは考えつかなかったのである。