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アラスカのひょうが

中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页

青空文庫

ところが一方、炭酸ガスは植物の同化作用によって、吸収されるのであるが、森林の伐採は進むばかりである。両者とも、大気中の炭酸ガスの量を殖やす方向に向いている。

大気中の炭酸ガスの含有量が殖えれば、太陽の輻射線をよけいに吸収するので、地球の温度はのぼることになる。それで近年の気温上昇は、大気中の炭酸ガスの増加によるもので、この炭酸ガスの増加には、たぶんに人為的要素があるのではないかという問題が出てくる。もしそれだったら、これはまことに厄介な話で、燃料の消費は今後も増すばかりであるから、気温は上昇をつづけるものと思わねばならない。

それでいったい、大気中の炭酸ガスの量が近年になって殖えているかどうかがまず問題である。これは局地的な影響が強いので、なかなかはっきりした結論はくだしにくいが、この方面の専門家ユンゲ博士の話では、過去五十年間に、大気中の炭酸ガスは、一〇パーセント殖えているということである。もっともそれが事実としても、それが人為的なことに起因しているか否かは、別の問題である。海水は炭酸ガスをよく溶かすので、海水中の炭酸ガスの量をよく調べてみなければ、なんともいえない。