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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
といったら、「君がこんなところへ突然やってこようとは思わなかった」といっていた。一九四〇年以来最初の日本人だということであった。しかしたいへん喜んで、すぐ教室の先生方を集めて、今日と明日とのプログラムを作ってくれた。ホテルはどこかときくから、なくて困っているというと、すぐ電話をかけて探してくれた。そしたら難なく見付かった。
この大学は、最近までカレッジで、アラスカ農鉱学校と呼ばれていた。研究室なども最近まで非常に貧弱であったそうである。ところが戦争中にユニバシティになり、現在はシートン教授を中心として、イオン層の研究を教室一同で、盛んにやっている。
アラスカはなんといっても、ごく最近まで「金鉱物語」の現場であった。今でも文身をした『アラスカ物語』の映画に出てきそうな男が、首都のフェアバンクスでも見受けられるくらいである。そういう土地にユニバシティをつくっても、学生はそう沢山は集らない。全アラスカから集めても、たいした数にはならないはずである。現在三百五十人くらいの学生がいるだけだという。しかし研究室は立派なものである。
ここの教室の表看板であるイオン層の研究は、無線通信の障害を除くのが目的で、その研究にはフェアバンクスが一番地理的に有利な立場にある。