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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『二つの』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二つの序文、『団栗』のことなど、詩人への註文、樹氷の科学、救われた稀本、大雪山二題、小さい機縁、天地創造の話、農業物理学夜話、防寒戸、雪は資源である、アメリカの沙漠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 页
そういう領域は「相互に重なり合いつつ進行して行く。かくのごとくなる事によって始めて連絡せる時間の知覚が成立する」。
一方空間の知覚においても、異なる点の空間的分布が同時に認知されるとすることには無理がある。文字の形のようなものは、一度に眼に見えるようであるが「吾々がその字画を覚え込んでしまうまでにはどうしても何遍もその字画の線をどうにかいう順序にたどって習熟する事は事実で」あり、図形でももちろん同様である。こういう追跡作用がいつでも必要であるとすれば「空間の知認には時を要する」ことになる。こういう考察から、先生は時と空間とは、運動という原始的知覚の分解によって生じたものであるという考え方に傾いておられたようである。哲学者の中には、もちろんそういう考えの人も沢山あったであろうし、先生もベルグソンなどから影響を受けられた点もかなりあるようである。しかし科学者としての先生は、この考えを説明するのに「ミンコウスキーの時空を合した四元の「世界」四元的線として現わるるものはすなわちこの原始的知覚の数学的模像である」という言葉で表現しておられる。「こう考えて来ると時間や空間はただ運動を表わす便宜的座標に過ぎなくなり、この運動を refer する為の座標軸は無数に可能になり、それ等の各々の座標には時と空間とが必ず結びつい