轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わし
和紙
東野辺 薫
「東北文學」1943(昭和18)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,557 字 · 70 页
うちの人々に挨拶をしてしまった。
同じ坑夫仲間の妹で、選炭をしていた女と内縁関係が出来ていて、男の子が生れたばかりであった。恐る恐る旦那に申し出てみると、そんならわしが仲人になって、正式の夫婦にしてやろう、それだけで別に小言もなくあっさりと引き受けてくれた。
「もちっと気の利いた家だと思ったわ。」
村に近い安達駅がまだなかった頃で、線路づたいに二本松駅まで迎えに行ってはじめて連れて来た時、だらしなく赤ん坊を負ったお君は、庭さきに立ったまましばらく内に入ろうとしなかった。
「我慢してくんろ、今に俺が働いてどうにかするでな。」
惣次郎は身の退ける思いに顔を赤くして、詫びるようにひくく言った。
弟が一人これも出稼ぎをしていたほか、妹が一人いた。旦那の家の手伝いをしていた母もまだ達者であった。やもめになった嫂は、二本松の商家に女中奉公をするのだと、女の子を連れて去って行った。
日傭取に出るのでもなく、鍬の持ち方一つ知らないお君は、終日子供を相手にぶらぶらしていた。惣次郎が何かいうと、嘘言つきめ、おらを欺しやがってと、大ごえを上げて喚くのだった。妹が、嫂さ嫂さと優しくしても碌な返事もしない。