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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 页
「いや、一度や二度じゃうまくいかないだろう。それはそうと……」
と怪紳士はいいかけて、更に自分の感情を殺しながら、
「僕はこれからちょっとでかけなければならんが、詳しい話は帰ってきてからにするとして……、道夫君も疲れたことだろう。ちょうどコーヒーが沸いたから、甘くしてごちそうしようね」
そういって怪紳士は、卓子の上に置いてある湯気の立っているコーヒー沸しを持上げ、銀の盆の上に並んでいた空のコーヒー茶碗の一つを道夫の前に置き、その中にこげ茶色の香の高い液体をついだ。
「砂糖とミルクはそこにあるから、好きなほど入れておあがり」
そういって怪紳士は、もう一つのコーヒー茶碗にコーヒーをついで、自分の椅子の方に引寄せた。そして角砂糖を一つ入れると、がらがらと匙でかきまわして、うまそうにのんだ。
「どうぞ、遠慮しないで……」
道夫はすすめられるままに、自分の前のコーヒー茶碗に角砂糖を三つ入れ、それにミルクをたっぷり入れた上で、それをのんだ。たいへん甘い。道夫はつづけて、がぶがぶとのんだ。
道夫は、自分がそれからコーヒー茶碗を下に置いたことを記憶していない。急に頭がぼうっとしてきたと思ったら、非常に睡くなった。