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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 页

青空文庫

一行は農業会の建物へ入った。

「ああ課長。お待ちしていました。平井村の駐在所の成宗巡査です」

駐在所の警官が出迎えて、そういった。

「やあ成宗君か。早く手配をしてくれてありがとう。で、当人の様子はどうだね」

お角力さんのように肥った田山課長は靴をぬいで上りながら聞いた。

「はい。それがどうも……生きているというだけのことで、重態ですな」

「負傷しているのかね」

「いや、大した負傷ではありませんが、なにぶんにも意識が回復しません。こんこんとねむっているかと思うと、ときどき大きいこえでうわごとをいうのです。よほどここの所をやられているようですな」

と、成宗は自分の頭を指した。

「そうか。そのようなこともあろうかと思って、警察医の黒川君をつれてきたから、さっそく診察して手当をさせよう。おい黒川君。頼むぞ」

課長はそういうと、成宗巡査をうながして川北先生のねている二階へと階段をのぼっていった。

「さっきからハチヤさんという方が見えていますが……」

と、先へ階段をのぼる成宗巡査があとに続く田山課長へいった。

「なに、ハチヤ!」

「ええハチヤさん。課長とご懇意だということでしたが」