轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちはゆたかなり

地は饒なり

宮本 百合子

「中央公論」1918(大正7)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,874 字 · 57 页

青空文庫

という言葉のあるのをお思い出せなさいますか。

ほんとになぜ私は命を授けられたのか、それはこんな貧弱な頭で解ろうはずはありません。けれども、これほど微妙な生のあらゆる機能、自分で平気でいるのが、ときどきこわくなるほど微妙な作用を無言のうちに行って、今のところでは、それが次第次第に成長して来るのを感じているときに私は、どうして自分の生きていることは、間違いだと思われましょう。

先のように遊戯的に死を考えることなどは、もう出来なくなっている私は、はっきりと生きなければならないことを感じております。

どうしても、生きなければならない。そして生きるなら、出来るだけ正しい、よりよく、より真面目に生きなければならないのは当然ではありますまいか。

この言葉に対して、否定を与える人は一人もないことは確かです。皆がよくなれと云い、正しくなれと云います。けれども、悲しいことには、私も、恐らくはあなたも、王様には黙って耳を切られ殺されなければならなかった国民と大差ない境遇に置かれているとはお思いなさいませんか。

王様は、絶対無二、尊厳であり偉大であり完全でありたかったのに、不仕合わせな耳が彼を苦しめる種となったので、悪口、批評の根絶やしをしたくて、皆の耳を自分と同じようにさせて、ホッと安心しました。