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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
合計十三銭。ちなみに、もう少しご飯が食いたいという時は、小さな茶碗のメシがあって、これを半と言って三銭。)――傘売りがそこで焼酎を飲みながら待機しているだけに、どうやらあやしい空模様の、外に出て、吾妻橋の方にぶらぶら行くと、ぽんたんが松屋の東武電車の出口からあたふたと出てくるのに、ばったり会った。前節の翌日である。
「お早うござい……」
ぽんたんは、変に白っちゃけたような顔をしていたが、私がぽんたんの家は東武電車の沿線なのかと聞くと、これも変に充血した眼をショボつかせて、
「いや、ゆんべ、寺島町へちょっと顔出しを……」
ニヤニヤするのに、
「寺島町?」
小柳雅子の家は寺島広小路と聞いた。雅子を思い出したのだ。すると私の真面目な、いややぼな顔に、
「いやですねえ」
と、ぽんたんは肩を叩くような手付をして、
「あの女のところへね、ちょっと……。寺島町の彼女のところへ……」
「……?」私にはまだわからなかった。
「ねむい、ねむい」
これは大阪弁で、
「では、――そのうち一度、一緒に行きませんか」
私は、ああそうか、魔窟へ行ったのかと気づいた時は、ぽんたんは洋服の肩を女のように振って車道を横切っていた。