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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
(エドガー・ポオ)
私はもともと「正直な男」ではない。
(注二)
カコミ評論は次のごときものであった。
「偉大な仕事をした人の伝記を読むと、きまって人間味という項が出てくる。偉大な仕事とは何か。人間の能力の最大限の発揮である。そして人間味とは何か。時とすると、人間味の『美名』の下に、人間の能力の最大限を発揮した人が、人間の能力の最小限に生きる低い卑小なレベルに引きさげられる。そしてそのレベルでの人間的弱点が挙げられ、それが人間味ということになる。人間というと、弱点がなくてはならぬとするいわゆる近代の人間観から、それはご愛嬌ということになる。ご愛嬌の程度ならいいが、そこで悪くすると、人間の能力の最大限の発揮は、いわゆる人間味の低さにおいてでなく、実は、最大限のレベルに高められた人間性においてこそ、初めてなされるという事実までが無視される。
文学はそうした人間観に従っていた。文学とは人間探究の仕事である。だから文学の対象となる人間のうちには、人間の能力の最大限を発揮した人も入れば、その最小限に生きた人も入る。だが、文学は後者により多く執着していた。そこには例の人間味が豊かに露出されているからだ。