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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
そのため、子供たちは、助力をさらに必要としない獰猛な犬に荷担して、助力を必要とする弱小な犬をいじめたりするのだろうか。それにしても、逃げて行くのに、石を投げないでもいいではないか。そう思って見ていると、大きな犬はやがて心持よげに悠然とそこを立ち去って行って、子供たちが別にそれに呼びかけたりしないさまは、どうやら、子供たちとその犬とが親しい仲ではないことを明らかにした。子供たちは、単に残虐を愛する心から石を投げたのであり、弱小なものをさいなむ快感、惨めなものを憎む感情に、素朴にその時捉えられたにすぎないことが、明らかだった。
私は、そうした子供の心を憎んだ。
だがそういう私は、どうかと反省した時、――私は、あることを思い出した。ある夢を思い出した。私が鮎子と別れた直後に見た夢なのであるから、もう随分と前のことだが、今でもはっきり覚えているのは、それがよほどいやな夢だったことを証明するのである。
「巴里の屋根の下」という映画が封切られた頃で、それは私に深い感銘を与えた。そのため、そのなかに鉄道線路の傍で喧嘩をする場面があるが、夢はそのシーンを借りて、展開された。