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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
そしてそのまま、鮎ちゃんはあたしンとこからドロン……」
「気がつくと、てのはおかしいね」
「おかしいかな」小首を傾げるのに、
「おかしいよ。そんな……一緒に住んでて」
私のところを鮎子がドロンをした時は、私が、留守の間に私に無断でトラックを雇ってきて、自分の道具を一挙に運び出し、同時に自分をも私との家庭生活の外へ運び出したものだ。
「そう言われると」
と、ゴロちゃんはびっくりしたように眼を瞬いて「――少し変だな」
「冗談じゃない」
「だから、ほらさっき言ったでしょう。自分でも少しオカしいと思う時もあるって」
「ゴロちゃん!」私は自分もなんだか変にさせられるような気持だった。いたましい想いと腹立たしい想いが、こんがらかっていた。「みんなが、ゴロちゃんのことをオカしいと言うのは、鮎ちゃんがドロンしてから? それともその前から……?」
「ドロンしてからですよ」
ヘンに力んで、
「それでいかれたらしいと、みんなが言やがるんだが」
「で、ゴロちゃん、小屋の方は」(これで勤まるのかしら?)
「やめちゃったア」と彼は至極朗らかに言うのだった。
クビになったのだろうと思いながら、
「で、今どうしてんの?」