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あんごしんにほんふどき
安吾新日本風土記
03 第二回 富山の薬と越後の毒消し≪富山県・新潟県の巻≫
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,916 字 · 46 页
私は農業の専門の学者に伺いをたててみるつもりにしていたが、そういう大先生にきくまでもなく、土地の人があっさり答えてくれたものである。
「二毛作はできますとも。ただ誰もやらないだけですよ」
「なぜ?」
「二毛作をやらなくとも生活が楽だからですよ。いや、むしろ、二毛作をやらない方が生活が楽だと内々考えているかも知れません。とにかく米が不足で統制されてるために百姓が裕福だということは彼らの身にしみていますから、主食の絶対量が不足めの方が自分たちの身のためだと踏んでるかも知れません。この土地は小作争議の本場で社会党の地盤だったものですが、同じ百姓がいまはどんどん自由党一辺倒に転向中ですからな。それに雪国の農民はナマケ者ですよ。楽に生活できれば二毛作なんぞ絶対やりはせんです」
越後平野では平野のマンナカへ農学校をつくるぐらい無意味なことはないそうだ。農地のマンナカにつくられた農学校は生徒がいなくてガラあきだというのである。
「農村から農学校へ行く者の何倍という数が遠い町の商業学校や工業や高校へ出ているのです。百姓が百姓の勉強して何になるかという考えです。百姓のことは百姓が知ってるものだ。