轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:どんぐり、科学者と芸術家、旅日記から、竜舌蘭、花物語、芝刈り、球根、簔虫と蜘蛛、ねずみと猫、物理学と感覚、先生への通信、病院の夜明けの物音、病室の花、丸善と三越、自画像、春寒、春六題、田園雑感、写生紀行、笑い、案内者、断水の日。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 页
自分はドイツで出版された仏文の本をもっている。かなりフランスくさくこしらえてあるが、しかしどう見てもそれはやはりドイツの本である。表紙に描かれた人物にもクラナッハやジュラーの影法師が見える。
いつだったかこの仏書の所でフランスの飛行将校が小説か何かをひやかしているのを見かけた事がある。その時ただなんとなしにいい気持ちがした。この将校の顔から髪から髯からページを繰る手つきから、大きく肥った指先までが、その書物と自然に調和して全体が一つのまとまった絵になっていた。今の日本の書物はどことなくイギリスやアメリカくさいところがある、そして昔の経書や黄表紙がちょんまげや裃に調和しているように今の日本人にはやはりこれがふさわしいような気がする。
フランスの文学美術書が科学書といっしょに露店式に並べてある所がある、シャバンヌやロダンが微分積分と雑居してそれにずいぶんちりが積もっている事もある。それはいいがその隣にガラスの蔽蓋をして西洋向きの日本書を並べたのがある。あれを見ると自分はいつでもドイツで模造した九谷焼きを思い出す。
自分の専門に関係した科学の書籍をあさって歩く時の心持ちは一種特別なものである。