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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
また大江山の酒顛童子の話とよく似た話がシナにもあるそうであるが、またこの話はユリシースのサイクロップス退治の話とよほど似たところがある。
のみならずこのシュテンドウシがアラビアから来たマレイ語で「恐ろしき悪魔」という意味の言葉に似ており、もう一つ脱線すると源頼光の音読がヘラクレースとどこか似通ってたり、もちろん暗合として一笑に付すればそれまでであるが、さればと言って暗合であるという科学的証明もむつかしいような事例はいくらでもある。
ともかくも世界じゅうの化け物たちの系図調べをする事によって古代民族間の交渉を探知する一つの手掛かりとなりうる事はむしろ既知の事実である。
そうして言論や文字や美術品を手掛かりとするこれと同様な研究よりもいっそう有力でありうる見込みがある。
なぜかと言えば各民族の化け物にはその民族の宗教と科学と芸術とが総合されているからである。
しかし不幸にして科学が進歩するとともに科学というものの真価が誤解され、買いかぶられた結果として、化け物に対する世人の興味が不正当に希薄になった、今どき本気になって化け物の研究でも始めようという人はかなり気が引けるであろうと思う時代の形勢である。