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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
しかして現在洪水のごとく物理学の領土を汎濫しつつある素量の観念の黙示のごとくにも響くのではあるまいか。
元子の種類が有限であるという考えと、最初の元子個性説とは一見矛盾するように見える。しかしこの矛盾ははなはだ貴重なる矛盾であり、実に無機界の科学と生物界の科学との矛盾である。そうしてこの矛盾を融和することこそ、未来の科学の最も重大な任務でなければならない。
元子の種類は有限であるが、各種元子の数は無限である。これは物質総量の無限大という前提から来る当然の帰結である。
これら無数の元子はその運動の結果として不断に物を生成し、また生じた物は不断に破壊され、生成と破壊の戦いによって世界は進行する。生のそばには死、死のそばには生があるのである。この考えにはいわゆる「平衡」の観念が包まれている。
物の性能が複雑であればあるほど、その物の組成元子は多種多様である。われらの母なる地のごときものはその最も著しいものである。彼女はあらゆるものの母であるからである。そのために昔のギリシア人はこの地を人格化して神と祭り上げてしまった。しかしそれは譬喩である。地はただの無生の物質の集合に過ぎない。