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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
巻末に性愛を論じた部分の中に遺伝素に関する考えが見いだされる。この考えはよほどまで具体的に現代の遺伝学説に近似するものであって、この事はすでに近ごろのネチュアー(6)の寄書欄で注意した人もあったくらいである。
五
第五巻の初めにおいて、ルクレチウスは、さらに鋒先を取り直して彼の敵手たる目的論的学説に反抗している。そうして神を敬遠して世界と没交渉な天の一方に持ち込んでいる。世界が神の所産でないことは世界の欠点だらけなことからもわかると論じている。これをソクラテスが神は善なるゆえに世に悪はない、と言ったのと比較すると、両者の立場の相違がよくわかる。一は公理から演繹し一は事実から帰納するのである。この点からもルクレチウスのほうが自然科学的である。
そうして世界の可死を論じるために水や空気や火の輪廻を引用して種々の地文学的の問題に触れている。また地質学上の輪廻にも暗示を投げている。その記述の中には当然地震や津波も出て来る。
最も興味あるは宇宙の生成に関する開闢論的考察である。元子的渾沌の中から偶然の結合で分離析出が起こるという考えは、日本その他多くの国々の伝説と同様であるが、それを元子論的に見た点がはなはだ近代的であることは前述のとおりである。