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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

そういう人々の便宜を計るという事がかりにいいとしたところで、そういう人はよしや新聞を全廃してもおそらく少しも困る事はあるまい。それぞれ自分で適当な通知機関を設けて知るだけの事は知らなければ承知しないに相違ない。これに反して大多数の政党員ないし政治に興味をもつ一般人、それからまじめな商業や産業に従事している人たちにとってたとえば仏国の大統領が代わったとかニューヨークの株が下がったとか、あるいは北海道で首相が演説したとか議会で甲某が乙某とどんなけんかをしたとかいう事を、二週間あるいは一月おそく知ったためにどれだけの損害があるかが私にはよほど疑わしい。

これらの記事がすべて正確であると仮定した場合でさえ、その必要が疑わしいくらいならば、記事が不正確である場合にはどうなるだろう。

こう言ってもおそらく私の言わんと欲するところは容易に通じないだろうと思う。それでくどいようでも同じ事を繰り返す事を許してもらいたい。

新聞を最も必要と感ずる人の種類を考えてみると、それは、広義における投機者であり、また一種特別な意味でのブールジョアである。いい意味での善良な国民、穏和な意味でのプロレタリアは、実際めいめいのまじめな仕事に真剣に従事している限り、拙速主義の疑わしい知識に飛びついて朝夕心を騒がせ気をいら立てる必要は毛頭ない