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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

この四つのアルファベットの組み合わせ自身に何かしら不快な暗示を含んでいるのか、それともいちばん初めに聞かされた音の不快な印象が、この音を聞くたびに新しく呼び返されるのかもしれない。

オーケストラも聞いたが、楽器の音色というものが少しも現わされない、木管でも金属管でも弦でもみんな一様な蛙の声のようなものになって、騒々しくて聞いていられない。

このほうの玄人に聞いてみると、飲食店や店頭にある拡声器が不完全なためにそういう事になるので、よく調節された器械で鉱石検波器を使ってそして耳にあてる受話器を使えばそんなことはないそうである。しかし頭へ金属の鉢巻をしてまでも聞きたいと思うものはめったにないようである。

夏休みのある日M君と二人で下高井戸のY園という所へ行って半日をはなはだしくのんきに遊んで夕飯を食った。ちょうど他には一人も客がなくて無月の暗夜はこの上もなく閑寂であった。飯がすんでそろそろ帰ろうかと思っていると、突然階下でJOAKが始まった。こんな郊外までJOAKが追い駆けて来ようとは思わなかったのであった。その晩はちょうどトリオでチャイコフスキーの秋の歌などもあった。