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えいがじだい

寺田寅彦随筆集 第二巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页

青空文庫

とそれがますます助長されるいわゆる不安定の場合のある事を忘れたのが第二の誤りである。

平均の球形からの偶然な統計的異同 fluctuation が、一度少しでもできて、そうしてそのためにできた高い所が低い所よりも生長する割合が大きくなるという物理的条件さえあればよい。現在の場合にこの条件が何であるかはまだよくわからないが、そのような可能性はいくらも考え得られる。

おもしろい事には金米糖の角の数がほぼ一定している、その数を決定する因子が何であるか、これは一つのきわめて興味ある問題である。

従来の物理学ではこの金米糖の場合に問題となって来るような個体のフラクチュエーションの問題が多くは閑却されて来た。その異同がいつも自働的に打ち消されるような条件の備わった場合だけが主として取り扱われて来た。そうでない不安定の場合は、言わば見ても見ぬふりをして過ぎて来た。畢竟はそういうものをいかにして取り扱ってよいかという見当がつかなかったせいもあろうが、一つにはまた物理学がその「伝統の岩窟」にはまり込んで安きを偸んでいたためとも言われうる。

物理学上における偶然異同の現象の研究は近年になっていくらか新しい進展の曙光を漏らし始めたように見えるが、今のところまだまだその研究の方法も幼稚で範囲もはなはだ狭い。