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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
これを充分に理解するためには、その子供をしてそういう言辞を言わしむるようになった必然な沿革や環境や与件を知悉しなければならない。それを知らなければ畢竟無理解没分暁の親爺たる事を免れ難いかもしれない。ましてや内部生活の疎隔した他人はなおさらの事である。
科学上の、一見簡単明瞭なように見える命題でもやはりほんとうの理解は存外困難である。たとえばニュートンの運動の方則というものがある。これは中学校の教科書にでも載せられていて、年のゆかない中学生はともかくもすでにこれを「理解」する事を要求されている。高等学校ではさらに詳しく繰り返して第二段の「理解」を授けられる。大学にはいって物理学を専攻する人はさらに深き第三段第四段の「理解」に進むべき手はずになっている。マッハの「力学」一巻でも読破して多少自分の批評的な目を働かせてみて始めていくらか「理解」らしい理解が芽を吹いて来る。しかしよくよく考えてみるとそれではまだ充分だろうとは思われない。
科学上の知識の真価を知るには科学だけを知ったのでは不充分である事はもちろんである。外国へ出てみなければ祖国の事がわからないように、あらゆる非科学ことに形而上学のようなものと対照し、また認識論というような鏡に照らして批評的に見た上でなければ科学はほんとうには「理解」