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やねうらのはんにん
屋根裏の犯人
――『鼠の文づかい』より――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,887 字 · 14 页
損の上の損
身をふるわせて珠数もみくだき、はては錫杖を突きたてて、悪魔すらもハッタと祈り伏せんばかり。
荒々しい祈りが静まると、フシギや。おのずからに御幣がコトコトとうごきだし、燈明がチョロチョロとまたたいてパッと消えた。あとは真の闇。大願成就の知らせとは云え、その怖しさと云ったらありません。
「アア有りがたや。末世とは大のイツワリ。神仏はあるものよ。怖しや、有りがたや」
と隠居は財布のヒモをほどいて、定めのお初穂百二十文敬々しく差上げて立ち帰りました。ところが待てど暮らせど失せ物は現れません。七日はおろか、ついに一周忌がくるというのに、現われなかったのです。
損の上の損
妙庵先生、下情に通じているばかりでなく、一通りは古典にも通じ、またオランダ渡りの鑑識にも通じております。話をきいて打ち笑い、
「盗人に追い銭とはそのこと。さては山伏にはかられましたな」
「いいえ。自然に御幣がうごき御燈明が消えたフシギはウソではありません」
「それはゴマ壇にカラクリがあるのです。ちかごろ仕掛け山伏と申してな。ゴマ壇にカラクリを仕掛けてフシギを見せて金をとる悪い奴がでているのですよ。