轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮理太郎『山の憶い出 上』。同一底本的分册已合并为一书。收入:笛吹川の上流(東沢と西沢)、奥秩父の山旅日記、釜沢行、秩父の奥山、利根川水源地の山々、秋の鬼怒沼 、美ヶ原、木曽駒と甲斐駒、黒部川奥の山旅、黒部川を遡る 、針木峠の林道 、春の大方山、三国山と苗場山、八ヶ峰の断裂 。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 页

青空文庫

せめて口元のタル沢あたりまで行きたいと慾ばった考が起ったが、勿論五時間や六時間で往復される場所ではないので、二、三町で引き返した。焚火の炎が天をも焦す勢で熾に燃えている、ここではどんな大きな焚火をしても、何の心配にも及ばない。晩飯は既に用意されていたが、岩魚は果して釣れていなかった。

濡れたものを乾かして、食事が済むと天幕に入って横になったが、中はあついので寝ていられない。三、四間ばかり離れた所へ焚火を移して、漸く毛布にくるまることを得た。

八月二日。午前六時三十五分、赤牛岳へ登る目的で東沢を遡り始めた。楊、栂、落葉松、檜などの大木から成る美しい林が両岸に続いている。中にも落葉松の林は、広い黒部の谷にもこれ程立派なものは少ないであろうと思った。その落葉松や栂、檜などが縦横に河の中に倒れている。こうして数十百年を経たであろう可惜良材が空しく朽ち果ててしまうのは勿体ないことだ。時々崖に出遇うが迂廻する必要もなく、河中に大石はあっても歩きよいし、倒木のお蔭で徒渉することは稀であった。

赤牛側から出る最初の谷は、落口に二、三丈の瀑が懸っていたので、避けて登らなかったが、これを上る方がよかったようだ。