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せいにかんするアイヌのしゅうぞく
性に関するアイヌの習俗
河野 広道
「北方研究 第一輯」1952(昭和27)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,926 字 · 12 页
これからの男たちよ、ゆめゆめ褌を忘れるまいぞ、と昔の酋長が物語った。
(知里真志保――アイヌおばけ列伝(三) 北海道郷土研究会々報 No. 4 より)
自分の性器を露出してはいけないという風習は、当然、他人の性器を見てはいけないという風習と結びついている。
このようなアイヌの習慣に関連しての逸話は日本側の江戸時代古文書にも散見される。立松東作の東遊記(天明4年)には、「蝦夷人人と道理をいいつのり、道理にまけたる方より勝たる方へ物をとる。之をツクナイという。償なるべし。是につきておかしき話あり。日本人の舟に蝦夷の小舟をつけ居たり。日本人あやまりて其舟へ小便をしければ、腹立てさまざまねだりけるを、小便には非ず水をこぼしたるなりと欺きけれども、中々得心せず、水にあらざる印は前のものを見たりという。其時日本人望みの如く物をつかわし、さて言いけるは、人のかくす処を見ること無礼なり、此罪は如何するぞとねだり返しければ、蝦夷人こまりて取りたるツクナイに、又々そえをなしてツクナイを取られたりという」とあるように、アイヌは他人が性器を出していてもこれを見ないのを以て礼儀としていたのである。