轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おしみなくあいはうばう

惜みなく愛は奪う

有島 武郎

「有島武郎著作集 第一輯」叢文閣、1920(大正9)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,397 字 · 159 页

青空文庫

惟うに動物には、ダーウィンが発見した以外に幾多の本能が潜んでいるに相違ない。そしてそれがより以上の本能の力によって統合されているに相違ない。然しながら十九世紀の生物学者は、眼覚めかけて来た個性の要求(それは十八世紀の仏国の哲学者等に負うところが多いだろう)と社会の要求との間に或る広い距離を感じたのではなかったろうか。そして動物中に行われる現状打破の本能を際立って著しいものと認めたのではなかったろうか。然しその時学者達の頭の中には、個性は社会を組織する或る小さな因子としてのみ映っていたろう。しかのみならず科学的研究法の必然的な条件として、凡てのものを二元的に見ることに慣らされていた。彼等はひとりでに個性と社会とを対立させた。従ってその結論も個性と社会との中、個性に重きを置いた場合には生存競争として現われ、社会に重きを置いた場合には相互扶助として現われたのだ。然し前者には社会が、後者には個性が、少しも度外視されていはしない。

私達はこの時代的着色から躍進しなければならぬと私は思う。私は個性の尊厳を体験した。個性の要求の前には、社会の要求は無条件的に変らねばならぬことを知った。