轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おろかないちにち

愚かな一日

豊島 与志雄

「太陽」1920(大正9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,045 字 · 29 页

青空文庫

「……実際ここは気持ちが宜ろしいですね。こんな処に居れば病気なんか自然に治ってしまいます。私も、伺う度毎に余り長くは御邪魔すまいと思いながら、来てしまうとつい泊っていったりなんかして、お見舞に上るのだか遊びに来るのだか、自分でも分らない位です。」

「初めからお遊びのつもりでいらっしゃればいいではございませんか。こちらへ越して来てから、訪ねて下さるお友達も少いので、河野も非常に淋しがっております。私もあなたに来て頂くと、何だか力強いような気が致しますの。あなたがお帰りになると、河野はいつも黙り込んで淋しそうにしていますし、私はまた何となく頼り無いような気持ちになって、家の中が急に陰気になりますのよ。」

「それでは折角御伺いしても、差引零になるわけですね。」

「ええ、だからなるべく長くいて下さらなくてはいけませんわ。今日もお泊りなすって宜ろしいんでございましょう。」

「そうですね。河野君の気持ちがよかったら……。」

「是非そうして下さいね、河野も喜ぶでしょうから。この節では、病気が少しよくなったようですから、早く元の身体になって長い物を一つ書きたいと、始終申して居りますの。