轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

「オール読物」1953(昭和28)年1月〜6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 90,195 字 · 175 页

青空文庫

そこで、ガイタンに耐えぬというような顔つきになって、

「話はちがいますが、職業の性質によるのか、彼等は、ふしぎに運動をしたがりませんね。あんな立派なテニス・コートがあるのに、ぜんぜんやらんのです……プールに入っても、縁につかまって沈んでいるだけで、泳ぐやつは一人もいない……ひょっとすると、身体を洗いにくるのではないかと邪推したくなるくらいで、プールから上ると、あとはただ、ぐったりと芝生に寝ころがっているだけです……デマだろうと思いますが、近所の子供が、そこのプールへ落ちこんだら、溺死する前に、眼がつぶれたそうで、ほんとうの話なら、彼等は、えらい毒性を持っているもんですな。この間、水を落したのに、だれかまた一杯にしてしまいましたが、あのプールは危いです。ご希望なら、さっそく消毒させます」

「あんなものは使わないから、その必要はなさそうだ。それは後の話にして、まず、この部屋のことだが、こういう改変の仕方は、すこしひどすぎるとは思わないかね? ……ここはもと、さる大名の中邸で、建築名鑑の写真にも残っている、典型的な上段ノ間だったのです……広縁の前の手摺りは、桂御所の写しで、いま君のいるところは、清閑院風の杉戸があった。