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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

北原白秋「婦人公論 第四十三巻第一号」1958(昭和33)年1月号<br>高村光太郎「婦人公論 第四十三巻第二号」1958(昭和33)年2月号<br>萩原朔太郎「婦人公論 第四十三巻第三号」1958(昭和33)年3月号<br>釈迢空「婦人公論 第四十三巻第四号」1958(昭和33)年4月号<br>堀辰雄「婦人公論 第四十三巻第七号」1958(昭和33)年7月号<br>立原道造「婦人公論 第四十三巻第八号」1958(昭和33)年8月号<br>津村信夫「婦人公論 第四十三巻第九号」1958(昭和33)年9月号<br>山村暮鳥「婦人公論 第四十三巻第十一号」1958(昭和33)年10月号<br>百田宗治「婦人公論 第四十三巻第十二号」1958(昭和33)年11月号<br>千家元麿「婦人公論 第四十三巻第十三号」1958(昭和33)年12月号<br>島崎藤村「婦人公論 第四十三巻第六号」1958(昭和33)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 页

青空文庫

処女詩集『道程』は白山町の抒情詩社から刊行、この貧しい出版屋にほとんどただで発行さしたのも、高村光太郎らしい無名の出版所をえらんだわけである。久しい間その詩集は『道程』一冊しか発行していない。後に『智恵子抄』『智恵子抄其後』を刊行、ヒューマニストまたは、モラリストとしての詩風をしめす。ヴェルハアラン(一八五五~一九一六年、ベルギー系のフランス詩人。生命讃美の象徴詩を書いた。)の訳詩集『明るい時』『天上の炎』『ロダンの言葉』『続ロダンの言葉』を訳したが、その行文の美はかれの詩の水脈を引いている。その他『ゴッホの手紙』、評論集『造型美論』『美について』等がある。戦後岩手県の山村に七年間こもっていた。彫刻はわずかに数点しかない。

田端の百姓家に私は下宿住いをし、ほとんどの日は千駄木町の通りから白山に出るのが、私の散歩区域であり、本屋に本を売り質屋に通い、大方の日は憂鬱極まるものであった。千駄木の桜の並木のある広いこの通りに光太郎のアトリエが聳え、二階の窓に赤いカーテンが垂れ、白いカーテンの時は西洋葵の鉢が置かれて、花は往来のほうに向いていた。あきらかにその窓のかざりは往来の人の眼を計算にいれた、ある矜と美しさを暗示したものである。