轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
岡本綺堂『明治劇談 ランプの下にて』。同一底本的分册已合并为一书。收入:明治劇談 ランプの下にて、明治演劇年表。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,283 字 · 329 页
借金政略とか借金興行とかいって、ただひと口に冷笑し去るべきではない。
その頃の芝居がなぜ儲からなかったかというと、その原因は実に簡単明瞭で、所詮は芝居を観る人の範囲が狭く、それに準じて観客が少なかったためである。入場料もまた廉かった。その廉い入場料が俄かに騰貴して世間をおどろかしたのは、新富座の明治十五年六月興行で――座主の守田は負債のために、自分の名儀で興行する事が出来ず、猿若座の名を以て開場したのである――出勤俳優は団十郎、菊五郎、左団次などの座附俳優は勿論、それに中村芝翫の親子、助高屋高助、大阪上りの市川右団次、嵐璃寛らも加入して、俳優の共進会と噂されたほどの大一座であっただけに、入場料の高くなるのもまた自然の結果で、桟敷一間が四円五十銭というのであった。勿論、一間は五人詰であるから、一人の頭に割れば僅かに九十銭に過ぎないのであるが、その九十銭がその当時においては大問題で、芝居も馬鹿に高くなったと誰も彼も言った。しかもそれが例になって、芝居はその後も当分は桟敷一間四円五十銭、高土間一間三円五十銭、平土間一間二円五十銭、ほかに敷物代として一間につき五十銭を取るのが先ず普通になってしまった。