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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

その時にすっかりわけを聞かせて上げるからね。そして、ちょっと君たちの智恵だめしをして上げるよ。いいかい。今から二時間ほどしてね」

高橋さんはそう言って、お家の中へはいって行きました。二人の少年は「じゃ、きっと」と約束して、門を出ましたが、二時間がまちどおしくて仕方がありません。めいめいのお家へ帰ってからも、時計ばかり見ていましたが、やがて約束の時間が来ますと、二人はさそい合って、高橋さんのお家へ行きました。

「やあ、約束を忘れないで、やって来たね」

高橋さんは門の外に待ちかまえていて、二人に声をかけました。

「ところで、さっきの実験を見せる前に、君たちにたずねたいことがある。智恵だめしだよ。君たちは、僕が雪の上に白と黒と二枚の紙をおいたのを見たね。そして、その紙の上に日があたっていたのをおぼえているだろうね」

「ええ、日があたっていました」

一太郎君はそれを思い出して答えました。

「すると、二時間のうちに、どんなことがおこっただろうね。何か変ったことがおこっているはずなんだがね」

二人は、また目を見合わせて考えましたが、「あ、わかった」というようにうなずき合いました。