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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

電燈の光や蝋燭の光も、太陽とは少しちがうが、やっぱりいろいろな色をふくんでいる。

さて、そこで、ちょっとそのへんを見まわしてごらん。我々のまわりには、実にいろいろな色のものがあるね。木の葉は緑色だ。むこうの西洋館は青くぬってある。雪は真白だ、板べいは真黒だ。君たちの頬っぺたは林檎のように赤くつやつやしている。

こういういろいろな物の色は、いったい何だろう。それはやっぱり太陽の光なんだよ。太陽の光が物にあたって、それが僕たちの目にはねかえって来るのだよ。

物によって太陽の光を吸いこんだり、はねかえしたりするやり方がちがうのだ。そのちがいが、さまざまの色になって、僕たちの目に入るのだよ。白く見えるものは、太陽の光にふくまれているいろいろな色を全部はねかえす。どの色も吸いこまない。だから太陽と似た白い色に見えるのだ。

むこうに見える西洋館には、青いペンキがぬってある。青いペンキはなぜ青く見えるか。それは太陽に光にふくまれている色のうち、青だけをはねかえして、ほかの色をみんな吸いこんでしまうからだ。

黄色でも赤でもそのとおり、太陽の光の中から黄色だけをはねかえすものが、黄色に見え、赤だけをはねかえものが赤く見える。