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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页

青空文庫

「なぜ」と「どうすれば」が、私たちにとって、どんなに大切かということは、このたった二つの例を考えただけでも、よくわかるではありませんか。

一太郎君はまだ小学校の六年生ですから、そんな大学者や大発明家のような、えらい智恵はありませんが、でも、「なぜ」と「どうすれば」を考えることでは、学校のお友だちのだれにも、ひけはとりませんでした。

学科のうちでは算数と理科がとくいで、算数のむずかしい問題をといたり、理科の実験をしたり、飛行機や機関車の模型をつくったり、望遠鏡や顕微鏡をくふうしてこしらえたり、そういうことが何よりもすきで、少年発明品展覧会に、自分で考え出した模型を出品して、ごほうびをいただいたこともあるくらいです。

それから、一太郎君はむずかしい謎をとくのもとくいでした。頓智でとくのではなくて、すじみちを立てて、よく考えてとくのです。でも、ほかの人には、一太郎君が頭の中で考えたすじみちはわからないものですから、いきなりむずかしい謎をといてみせますと、みんなびっくりしてしまい、それが評判になって、いつのまにか「智恵の一太郎」などと呼ばれるようになったわけです。