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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页
だからハハアンと思ったのです。お椀の底は丸いから、その中で水がこおれば、凸レンズの形になるんですもの。
それで、ゆうべ、寝る前に、お椀に水を入れて、窓の外へ出しておいたんです。けさ戸をあけてみると、お椀の水は底まで全部こおっていました。でも、それをお椀からとりはずすのがむずかしかったけれど、考えているうちに、お椀をあたためればいいということがわかったのです。それで洗面器にお湯を入れて、その中へお椀をつけてみたら、わけなく氷のかたまりがとれたんです。
それからお祖父さんのお灸のもぐさを少しいただいて、氷の凸レンズに太陽の光をあてて、火をつけたんです。それからね、新聞紙のきれっぱしを、火のついたもぐさにつけて、フーフーと口でふいていると、パッと火がもえて来たんです。それをもとにして、こんな大きなたき火が出来たんですよ」
一太郎君は、みごとに水から火をつくりました。そして、それを実に順序正しく説明したのです。それを聞いて、お祖父さんもお父さんも、すっかり感心なさいました。
「フーム、さすがは智恵の一太郎じゃ。白状すると、わしもゆうべ、あれから、父さんの難題をいろいろ考えてみたのじゃが、どうしてもわからなかったのだよ。